つたをたつ

ゲームや映像媒体等娯楽についてのブログ。たまにエッセイも。

テ "イ" ラノサウルス

ティラノサウルスは皆さんきっとご存知だろう。

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いらすとやのティラノ。本当は手の指は2本。

映画ジュラシックパークなんかでは、肉食恐竜の代表格、キングオブ恐竜みたいな扱いを受けている。

けどこの記事のタイトルはテラノサウルスではなく、テラノサウルス。ていらの。

 

はるか昔、自分は幼稚園児だった頃、幼稚園に置いてあった恐竜の絵本を読みながら色んな妄想に耽っていた。シダ植物で覆われた大地。ゾウやキリンよりも大きな動物が闊歩し、力強く生きる姿を想像しては胸を踊らせていた。

 

ある日、同じく脳内白亜紀に生きる園児から「きょうりゅうごっこ」をしよう、と誘われた。お互いの知っている恐竜の姿を真似ながらじゃれ合おうという、園児らしいほのぼのとした遊びである。

余談だけど、今なら何の恐竜を演じるかな。いつかの恐竜博で見たギガントスピノサウルス、あれなんかいいかも。園児は無知だから名前の暴力性に任せてメチャクチャな立ち回りが出来そうだし。

 

さて、実際に始まった「きょうりゅうごっこ」、幼児二人がこれで遊ぶにあたって、お互い強そうな恐竜を絵本の知識から選び出す。自分は確かスピノサウルスを演じた。絵本に出てくる肉食恐竜の中では体長が一番大きかったから。

対する園児が選んだのはティラノサウルス。王道のセレクト。ただ、彼がその恐竜を選んだ時の宣言は「テラノサウルス」だった。

 

彼は幼いので、小さいイ、「ィ」の発音の仕方を知らなかったのである。

 

この発音に猛反発したのが当時の自分。「『テラノサウルス』なんていないんだよ!」なんて事を言うんだから相手もムキになって言い返す。

 

「うそつき!絵本に書いてあったもん!」

 

当時の自分も、「いない」なんて言わずに単に発音が違うと教えてあげればよかったものを、妙な指摘をしてしまったせいで話がややこしくなった。ここからは「いる」「いない」の水掛け論。お互いに恐竜を愛している故にしばらく譲らない。

 

しばらくすると、テラノの彼は泣き出してしまった。「テラノいるもん…。」なんて言って。トトロじゃないんだよ。

当時の自分はこれに折れ、「わかった、テラノいるから、テラノでいいよ。」と返した。園庭は平和なバーチャル白亜紀へと姿を変えた。

 

 

時は流れ現在。たまたま当時通っていた幼稚園の前を通りかかることがあって、急にこの思い出が脳裏に浮かんできた。テラノの彼が懐かしくなり、実家に辛うじて残っていた卒園アルバムを開いた。

彼のプロフィールページは、やはり恐竜の話で埋まっていて少し嬉しくなった。

 

その中の「好きな動物」の項にはこう書いてあった。

 

好きな動物:ゲリミムス

 

わかった、胃腸ゆるゆるの恐竜いるから、下痢ミムスでいいよ。

 

 

いや、誰か教えてやれ。